葬儀も違う -仙台と関東・関西
祖父が亡くなった後、色々困ったこと、戸惑ったことがあった。

1.まず宗派が分からない。
亡くなると葬儀日程を決めないといけないのだが、そのためにはお坊さんのスケジュール確保が必須となる。が、なんと、ウチの家族は誰もウチの宗派を知らなかった;;
祖父の実家は真言宗の豊山派なのだが、祖父母(というか祖母?)が買った墓地のある寺は曹洞宗。
祖母の実家が曹洞宗だから?という説も出たのだが、通夜後に確認すると、そうでもなかったらしい。
「なんで曹洞宗のお寺にお墓を買ったの?」と祖母に聞くと、「そこがウチの近所で、住職の奥さんがいい人だから。」(※祖母も軽度のアルツハイマーなのでアテにならないことがこの時点で発覚)。でもその住職夫婦は年老いて、子供もいなかったので故郷の山形へ帰ってしまっており、今では赤の他人がその寺を継いでいるという。
祖父母がいつもお世話になっている近所の奥さんは、「間違った宗派でお墓に入れると、移す時が大変なんだよ」と言い出すし、さて困った。
仕方ないので、熟考(?)の末、喪主を務める叔父が「曹洞宗にする」と決断(そんなんでいいのか!)。
こうしてなんとかお坊さんが決まり、スケジュールが決まった。
(通夜・葬儀・告別式では親戚一同、初めて聞く曹洞宗の読経&ドラみたいな楽器の音に、何が始まるんだとびくびくしていた。)

2.曹洞宗
曹洞宗にするとは決まったものの、我が家は誰も曹洞宗に関する知見がない。
何でも知ってる近所の奥さんのおかげで、何とか準備を始めたのだけど、曹洞宗って実は一番儀式類が難しい&こう書くと身も蓋もないけど“面倒な”宗派だったらしい。

四十九日まで家に設置する祭壇の作り方も決まっていて
一番上段にお骨や花を置き、
お供えは、右側に自然のものを、左側に加工したものを置く。
(例:右側二段目に林檎、三段目にご飯、水を置く。林檎はダメになる前に皆で食べるのが供養。
  林檎の代わりに故人が好きだった自然のものを置くのも良い。
  左側の二段目は昔は落雁を置いたが、最近はお砂糖の加工品を置いてるから、
  49日まで持つ。
  その他、三段目にお団子やお茶を置く。)
お団子は、初七日まで、毎朝長男のお嫁さんが7つずつ作り、白い器に追加していく。
ご飯は山盛りにし、割りばしを底につくまで2本突き刺す(交換しなくて良い)。
水とお茶は毎日替えるのだけど、お茶は、お湯にお茶の葉を摘まんで入れるのみ。
なお、このご飯とお箸、お団子は、七日目に庭に埋めることとなっている。

祖父のお棺の上には、5がつかない硬貨(但し1円玉を除く…アルミは焼くと骨に付くから…ので、10円玉か100円玉を入れる)を入れたずた袋を置く。これは六紋銭と同じ意味だそうだ。また、サランラップにコメ、味噌、塩を別々に少しづつ包み(道中の食事であるおにぎりの材料)、これもずだ袋に入れるという。

はー、難しいねぇ…。

3.法要スケジュール
一連の式の準備をしている最中に、しばしば出てくる、「次の法要は100ヶ日です」の言葉。
皆、よく分からなかったのだけど、実は、仙台では初七日(これは関西でも、斎場から戻った後にまとめてやることが一般的)や四十九日の法要を営まないんだって。
さらにいうと、仙台では、葬儀は斎場(火葬場)で遺体を骨にした後にやるのが当たり前らしく、今回(たまたま斎場の都合で)葬儀→斎場の順になったのが、参列者にとってはだいぶ違和感があったんだそうです。(←喪主である叔父夫婦(東京在住)&関西人にとってはこの順番が当たり前なので、喪主側は、誰も参列者が違和感を抱いていることすら気付いてなかった。)

4.線香守
これは311の後、余震が頻発しており、万が一のことがあると怖いので、仙台ではやらないのが一般的になったのだそうです。確かにねぇ。

5.告別式後の会食
一番驚いたのがこれ。
関東・関西では、葬儀・初七日法要後、参列者とお膳を囲み、故人の話をしながらゆっくり食事をし、その費用は喪主側で持つのが当たり前なのだけど、仙台(なのか仙台・福島辺りなのかは不明)では、参列者各自が、自分の費用を自分で払うのが当たり前なのだそうです。
つまり告別式前の受付では普通に「御霊前」と書いた香典袋を渡し、会食前の受付で今度は「御仏前」と書いた香典袋を渡すことになるの!(なので、会食までお呼ばれした場合は、この2つの香典袋を用意して持っていかないと失礼に当たるそう)。

会食前に、セレモニーホールの人から何度も「受付を置いてほしい」と言われたのだけど、なんせ喪主側が何を言われているのか全く理解できておらず、またセレモニーホールの担当者も仙台の風習しか知らないのか、私達が何を分かってないのかが分かっておらず、お互い「?」となってました。
結局、喪主側が、よく分かっていないまま「会食費は喪主側持ちで」というのを通し、御仏前は貰わないことに。

が、ここで次の驚きが。
会食が始まったのに、お重の包みを開けて食べているのは我々喪主側の人間のみ。参列者はそこで出された温かい物(汁物、ご飯)にしか手を付けず、誰もお重を開かないの。
これも「お腹がいっぱいなのかなぁ」(斎場で待ち時間に麺を食べたから)と勝手に推測してたのだけど、実は仙台では、お重はそのまま持ち帰って家で家族と故人の話をしながら食べるのが一般なのだそうです。

その他、マイ数珠がこっちでは必須ではなかった(関西では、小さい子供でもマイ数珠を持ってるのが当然(だと思う))等々細かい違いもありました。

でもこういう習慣の違いが分かったのは、実は一連の儀式が全て終わった後に、仙台に住む母の大親友と、祖母にとっての妹みたいな存在の人に聞いてのこと(二人ともそれが当たり前と思ってたので、事前に我々に説明する必要があると思ってなかったらしい)。


葬儀風習の違いっておそろしい。
特に、香典袋の2枚持ちは、その場でどうこう出来るものでないだけに、今後、東北近辺での葬儀の時は気を付けないと。

…でも実は喪主側一同の一番の心配は、祖父が迷わず旅立てたのかということ。なんせ、多分、祖父本人も自分が曹洞宗だと思ってないし、曹洞宗がどういうものかも分かってないので。
祖父が素敵な人だったことは皆よく分かってるから、神様仏様も分かってるはず、宗派の違いなんて上辺のものでしかないからきっと大丈夫、と結論付けた子孫一同をとーたん、どうか許してね。
d0021590_13295274.jpg

[PR]
by cheeriot | 2012-12-13 23:59 | FAMILY
<< 「大きな歓声が聞こえる 僕らは... 別れの時 >>



興奮のあまり、ただいまタイトル変更中
by cheeriot
S M T W T F S
1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30